複合機(MFP)・プリンター廃棄時に見落とせない内蔵HDDの消去

複合機(MFP)・プリンター廃棄時に見落とせない内蔵HDDの消去

「コピー機だからデータなんて…」——実はサーバー並みの情報が眠っています

オフィスの複合機とプリンター

複合機は「歩くファイルサーバー」

オフィスに欠かせない複合機(MFP)。コピー・プリント・スキャン・FAXを1台でこなす便利な機器ですが、これらすべてのデータが内蔵ストレージに記録・蓄積されていることは、意外と知られていません。

リース満了・リプレースのタイミングで処分する際、データを消さないまま手放してしまう事例が後を絶ちません。


複合機に保存されている情報

1. 印刷・コピーデータ

  • 印刷ジョブの一時保存(ドキュメント全体)
  • セキュアプリント用の保留データ
  • コピー履歴・ページカウンタ

2. スキャンデータ

  • スキャンボックス内の保存データ
  • メール送信用の宛先アドレス帳
  • SMB共有設定(社内ファイルサーバーへのアクセス情報)

3. FAXデータ

  • FAX送受信履歴
  • メモリ受信の未出力データ
  • 短縮ダイヤル・宛先リスト

4. 認証・ネットワーク情報

  • LDAP / Active Directory 連携情報
  • ユーザー認証ログ(誰が・いつ・何を印刷したか)
  • 管理者パスワード・Wi-Fi接続情報

これらは顧客情報・社内機密・個人情報の塊であり、漏洩した場合のダメージはサーバー廃棄と同等かそれ以上です。


複合機のストレージは「HDDが搭載されている」

多くの業務用複合機には、数十〜数百GBのHDDまたはSSDが搭載されています。

メーカー例 特徴
富士フイルム(旧ゼロックス) HDD標準搭載機種が多い
リコー 機種によりHDD/SSD両対応
キヤノン 上位機種はSSD化が進む
シャープ・コニカミノルタ HDD搭載機種が主流

つまり廃棄時はサーバーやPCと同じく、ストレージのデータ消去が必須になります。


プリンターと書類

データ消去の方法

1. 本体のデータ消去機能(ソフトウェア消去)

多くの複合機には、メーカー提供のデータ完全消去機能があります。

  • 管理者メニューから実行
  • 数時間〜半日かかることも
  • 消去レベル(上書き回数)を選択可能な機種もある

2. HDDの物理破壊

よりセキュアに処分するならHDDを取り外して破壊します。

  • 破壊証明書の発行を依頼
  • シリアル番号の台帳管理
  • リース返却時は事前にリース会社へ相談(破壊許可が必要)

3. 専門業者による消去

オンサイトで磁気消去装置を使う業者もあります。大量に処分する場合に有効です。


リース品の場合の注意点

複合機はリース契約で導入されるケースが多く、所有権はリース会社にあるため、勝手にHDDを取り外したり破壊するとトラブルになります。

  • リース会社に「データ消去の実施可否」を確認
  • メーカー提供のソフトウェア消去で済ませる選択肢も
  • 返却時にデータ消去証明書を提示できるよう準備

依頼前に整理しておくこと

  • メーカー・型番・シリアル番号
  • 所有区分(購入品 / リース品 / レンタル品)
  • HDD/SSDの有無(不明なら業者に伝達)
  • FAX・スキャン機能の利用履歴(消去の重要度判断用)
  • 設置場所と搬出経路(複合機は重量物

まとめ

  • 複合機には印刷・スキャン・FAX・認証情報すべてが蓄積される
  • 多くの業務用機種にHDD/SSDが搭載され、サーバー並みのデータ消去が必要
  • メーカー提供の消去機能、またはHDD物理破壊で確実に
  • リース品はリース会社の許可を事前に取得
  • 廃棄時は重量物としての搬出計画も必要

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